富山はたくさんの路面電車が走っています。
2020年3月には富山駅の北と南で分かれていた路線がつながり、利便性が高まりました。
路線を拡張し、新しい種類の路面電車をどんどんと導入しています。
その路面電車の豊富さから富山は「路面電車王国」と呼ばれています。
他にも広島が路面電車王国と呼ばれています。
今回はそんな、「路面電車王国」富山の路面電車たちについてご紹介します。
富山市の路面電車
富山市でよく見かけるのが、2006年以降に運用開始しているLRT(次世代型路面電車)です。
LRT(Light Rail Transit)というのは、次世代の路面電車です。
乗り込み口が低く設計してあったり、騒音や振動対策がしっかりしてあります。ですので、お年寄りや子供でも安心して利用することができます。
富山で運用されているLTRです。
愛称 | 名称 | 種類 | 運用開始 |
ポートラム | TLR0600形電車 | 7色 | 2006年 |
セントラム | デ9000形電車 | 3色 | 2009年 |
サントラム | T100形電車 | 4色 | 2010年 |
路面電車のタイプが3種類あって、それぞれ色々な種類の色があります。
富山の路面電車はカラフルで色彩豊かです。
これ以外にも昔ながらの路面電車も運用されています。
ポートラムとは?
ポート(港)+トラム(路面電車)=ポートラム(港へ行く路面電車)という意味があります。
富山駅から港までいく路面電車ということで一般公募で名づけられました。いいセンスしていますね。
立山の雪のイメージした白をベースにして、虹にちなんだ7色(赤、橙、黄、黄緑、緑、青、紫)の路面電車があります。
全部の色を見ると幸せになると言われています。

セントラムとは?
センター(中心)+トラム(路面電車)=セントラム(中心街へ行く路面電車)という意味があります。
富山駅から富山市の中心街までいく路面電車ということで一般公募で名づけられました。いいセンスしていますね。
落ち着きの色合いである3色(白、シルバー、黒色)の路面電車があります。
基本の車両設計はポートラムと同じです。

サントラムとは?
サン(数字の3、対応)+トラム(路面電車)=サントラムという意味があります。
ポートラム、セントラムに次ぐ3番目に作られたのでサン、また太陽を意味するSUNの意味があります。
セントラムまでで名前がパターン化してしまったので、こじつけせざるおえなかったのでしょう。
白をベースとして4色(黄緑、赤、青、黄)の路面電車があります。
セントラムは、ポートラム・セントラムの改良設計版で、ほぼ同じ乗客人数を保ちつつ、車体がコンパクトになっています。

昔ながらの路面電車
LRT(次世代型路面電車)ではありませんが、昔ながらの路面電車も走っています。

富山駅での路面電車線路の横断
富山駅周辺の線路横断部には遮断機がなく、信号と警告音だけです。
富山駅内に入ってくる路面電車にひかれないように、駅周辺でもしっかり前をみて歩きましょう。

なぜ富山市は路面電車に力を入れているの?
コンパクトシティ構想
現在富山市は中心街の郊外に人口が増えているドーナツ化現象の傾向が強くなっています。
郊外に住む人々は、わざわざ公共交通機関に乗らなくても、車で郊外の商業施設に行くことで生活できます。
車中心の生活になることで、ますます公共交通機関に乗らなくなり、車で行けるような郊外の商業施設が発展します。
一方で、車を持っていない人々にとっては生活しづらい環境になります。車を持っていないと商業施設に行けないからです。
今後は高齢化社会になり、車に乗れない人々も増えてきます。
そのために、車に乗らなくてもよい生活状態にすることが必要です。
そこで富山市は、公共交通機関のサービスを充実させることで、車に頼らなくても生活できるまちづくりをめざしているのです。
これを「串」と「お団子」で例えていて、
充実した公共交通機関のサービスの沿線を、「串」
その沿線沿いで、徒歩圏内の住居や商業が集まった地帯を、「お団子」としています。
団子のようにひとつの「串」に複数の「お団子」がついている状態です。
つまり充実した交通機関の沿線上に、徒歩圏内の住居や商業が集まった地域を作るまちづくりです。

このようなコンパクトシティを現実化するために、公共交通機関の一つである路面電車に力を入れています。
中心街の活性化
公共交通機関のサービスが充実することで、中心街が活性化します。
郊外から人が入りますし、県外からの観光客を呼び込みやすくなります。
特に北陸新幹線ができたことで、新幹線による関東方面からの観光客が見込まれます。
富山駅から公共交通機関のアクセスをよくすることで、富山駅前だけではなく、中心街のエリアにも足を延ばしてもらえます。
特に路面電車を整備することで、観光客が簡単に移動しやすい環境になります。

高岡市の路面電車
富山市の隣の高岡市にも路面電車が運行しています。
そのなかで有名なのが万葉線の「ドラえもんトラム」です。
漫画「ドラえもん」の作者である藤子・F・不二雄氏の誕生の地のため、ドラえもんが路面電車に装飾されています。
どのような電車なのかは、ブログをご覧ください。
まとめ
今回は「路面電車王国」富山の路面電車たちについてご紹介しました。
富山市では、ポートトラム・セントラム・サントラムを中心とした路面電車が運行しています。
富山市が路面電車に力を入れているのは、理想のまちづくりのためです。
また高岡市ではドラえもんトラムの路面電車が運行しています。
ぜひ色々な路面電車を眺めたり、乗ってみてください。